(平成25年11月5日)
この度、道教委では、平成25年度に実施された全国学力・学習状況調査の調査結果等を分析し、報告書として取りまとめました。
本報告書は、平成25年度の全国学力・学習状況調査を詳細に分析し、教科に関する調査のほか、児童生徒質問紙や学校質問紙調査の結果についてもレーダーチャートで示すなど、より一層分かりやすく、活用しやすいものとなるよう工夫し、整理したものです。
- 平均正答率の推移(6年間の調査結果の推移)
- 各領域の平均正答率
- 調査結果のレーダーチャート図
・全教科
・小学校教科全体
・小学校各教科
・中学校教科全体
・中学校各教科
・児童質問紙調査
・生徒質問紙調査
・学校質問紙調査 - 正答数の状況(下位層の割合)
- 正答率別の児童生徒の割合(北海道(公立))
- 過去の同一・類似問題との平均正答率の比較
- 全国の平均正答率より5ポイント以上低かった設問
- 設問別調査結果
- 設問別調査結果(解答類型)
- 平均正答率(数)のばらつき
・管内の平均正答率のばらつき
・市町村の平均正答率のばらつき
・全道の学校の平均正答率(数)のばらつき
・「大都市・中核市」「その他の市」「町村」の学校の平均正答率のばらつき - 市町村の規模別の平均正答率
- A問題とB問題の相関
【参考】
・児童生徒質問紙 選択肢一覧
・学校質問紙 選択肢一覧
平成25年度全国学力・学習状況調査 調査結果の公表における11月5日の道教委コメント
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本報告書は、平成25年度の全国学力・学習状況調査を詳細に分析し、教科に関する調査のほか、児童生徒質問紙や学校質問紙調査の結果についてもレーダーチャートで示すなど、より一層分かりやすく、活用しやすいものとなるよう工夫し、整理したものです。
皆様御承知のとおり、本道の平均正答率は全国平均を下回り、上位県と比べて大幅に低い深刻な状況が続いています。道内各地域からは基礎学力の不足に起因して就業に困難を来す例が多数報告されています。また、学業不振や学校不適応を理由として高校を中退する子どもが後を絶ちません。もとより、機会均等を旨とする義務教育の趣旨を踏まえれば、生まれ育ったところによって学力に大きな差があるということは本来あってはならないことです。こうした考えに基づき、北海道教育委員会では「平成26年度の全国調査までに学力を全国平均まで引き上げること」、「平成29年度までにすべての管内で全国平均まで引き上げること」を大きな目標として掲げ、市町村教育委員会の御理解・御協力の下、総合的な学力向上策を推進しています。
こうした中、本年度の調査では、市町村教育委員会や学校の真摯な取組の結果、A問題で全国との差が縮まり、過去の同一・類似問題との比較でも相当程度の改善が見られるなど、一定の成果が現れてきています。しかしながら、依然として、全国との差が大きな教科が見られ、全国の下位約25%に属する本道の児童生徒の割合が全教科で全国よりも(小:3.3~6.0ポイント、中:0.8~3.8ポイント)多く、上位県と比較して大幅に(小:13.4~17.5ポイント、中:10.4~13.9ポイント)多い状況が続いているほか、全国平均を上回った市町村が23~67ある一方、全道平均以下の市町村が97~121あることや、全国平均を上回った小学校が26.1~36.8%、中学校が35.8~48.2%ある一方、全道平均以下の小学校が46.9~52.0%、中学校が48.6~51.8%あることなど、管内間、市町村間、学校間の取組に差が生じていることも明らかになりました。平成26年度の目標まで残すところ約5か月となっていることから、道教委としては、全道的な基礎学力保障の取組を加速させていかなければならないと考えております。
一方、「全国平均」という目標については誤解も多く見られるため「平均点を上げることそのもの」が目的ではないことを改めて強調しておかなければなりません。全国学力・学習状況調査の問題の正答率が低いということは、「習得することが望ましいと国が判断した学習内容」が他県の子どもたちと比べて身に付いていないという「事実」を我々教育関係者に突きつけるものであります。この「事実」と真摯に向き合い、あらゆる取組を改善し、子どもたち一人ひとりに「社会で自立して生きていくために必要な最低限の学力」を保障しなければなりません。各学校が、先進事例を十分踏まえ、家庭・地域と連携を深めながら、基礎・基本の確実な定着に効果がある指導を着実に積み重ねていけば、結果として全国学力・学習状況調査の結果は全国平均を上回るであろうと考えております。
また、改めて申し上げるまでもありませんが、本調査は「学力」のみならず、学校の指導の在り方や家庭での生活習慣・学習習慣を含めた「学習の状況」も調査分析の対象としています。子どもたちの学力水準は、個々の教師の教科指導力や学級経営力はもとより、宿題や補習、学習規律の確保といった学校全体としての取組に左右されます。また、毎日の学習習慣やTVの視聴時間、睡眠や朝食の状況なども含め、各家庭における望ましい生活リズムの確立も大きく影響しています。学校だけで、現代の子どもたちに健やかな成長を保障することは困難です。「全国平均」という目標は、社会全体で子どもたちの教育に取り組むための、分かりやすい大目標として掲げているものです。
本報告書の表紙には、学校・家庭・地域が協働するイメージのイラストを載せています。道教委では、学力向上の機運を道民の皆様全体に広げる観点から、知事とも連携し「ほっかいどう『学力・体力向上運動』」を推進しております。各管内・各市町村・各学校においては、本調査結果も踏まえ「いま目の前にいる子どもたち」の課題を改めてしっかりと分析し、学校・家庭・地域で危機意識を共有した上で、具体的な目標を設定し、連携協働しながら目に見える改善に取り組んでいただきたいと思っています。本報告書がそのための一助となることを心から願っています。