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最終更新日:2019年3月11日(月)


竪穴群ニュースNo.2



北海道史跡「シブノツナイ竪穴住居跡」の新しい調査


  

 平成26年度から平成29年度にかけて、北海道埋蔵文化財センターが行った調査によって、シブノツナイ竪穴住居跡について新たな発見があり、調査結果がまとめられましたので、このページでその成果を紹介します。

  


シブノツナイ竪穴住居跡とは

シブノツナイ竪穴住居跡は、紋別郡湧別町川西に所在し、オホーツク海に面した東側のセンサイ川、西側のシブノツナイ湖に挟まれた標高4mから5mの平坦地に位置しています。遺跡では、大きさが2mから11m、深さ0.3mから1mの方形や円形の窪み(竪穴)があちこちに分布している状況を見ることができます(写真1)。数多くの竪穴が良好な状態で保存されていることから、昭和42年3月17日に北海道史跡に指定されました。

過去、昭和38年と昭和41年に調査が行われています。5基の方形竪穴の発掘調査が行われ、測量調査によって約500基の竪穴の分布が確認されました。調査結果から、擦文時代の竪穴を主体とする遺跡であることが確認されました。しかしこれ以降、調査は行われておらず、遺跡の内容については断片的な情報に限られていました。

空撮

   写真1 シブノツナイ竪穴住居跡空撮 南東から
 

新しい調査の内容

 北海道教育委員会は、道内の特に重要な遺跡を対象にその保存・活用を図るため、北海道立埋蔵文化財センターによる重要遺跡確認調査を実施しており、平成26年度から平成29年度にかけてシブノツナイ竪穴住居跡を調査することにしました。この調査では、遺跡を保護していく上で必要となる情報を得ることを目的として、全ての竪穴を正確に記録する測量(写真2)と竪穴の分布範囲を確認するための発掘調査(写真3)を行いました。
測量
  発掘











写真2 測量調査状況                         写真3 発掘調査状況


  

調査の成果

 4年間の調査によって、遺跡の基礎的な資料が整備されました。精度の高い測量図(図1)が完成したことによって、竪穴の分布範囲、530基もの竪穴の配置関係、各竪穴の形・大きさなどが一目瞭然となりました。竪穴の形には円形、方形、柄鏡(えかがみ)形、多角形などが認められることが分かりました。円形の竪穴は全体の3割ほどで、主に東側にまとまって認められ、これらは縄文時代から続縄文時代のものと推定されます。方形の竪穴は全体の6割ほどで全域に分布し、これらは擦文時代のものと推定されます。方形竪穴の中には一辺が10m前後の大型のものが15基ほど含まれることも明らかとなりました。さらに発掘調査によって、竪穴が分布する範囲の北側の平坦地に続縄文時代の人々の活動跡が見つかりました。一連の調査によって、縄文時代から人々が痕跡を残し始め、続縄文時代に活動の場として本格的に利用されるようになり、擦文時代には広い範囲竪穴が繰り返し構築され、大規模な遺跡になったことが明らかとなりました。

測量図

                       図1 竪穴分布範囲と周辺の地形

これから

 今後、北海道立埋蔵文化財センターの調査を引き継いで、湧別町教育委員会が実施する調査によって遺跡のさらなる解明が期待されます。


調査成果に関心を持たれた方は、下記の報告書をご覧下さい。報告書は北海道立埋蔵文化財センターや北海道立図書館などで見ることができます。

北海道立埋蔵文化財センター 2016 「重要遺跡確認調査報告書」第11

北海道立埋蔵文化財センター 2017 「重要遺跡確認調査報告書」第12集

北海道立埋蔵文化財センター 2018 「重要遺跡確認調査報告書」第13

 


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 このページについてのお問合せは、文化財・博物館課文化財調査グループあてにお願いします(電話(011)231-4111内線35-626)。