トピック1 教職員のコンプライアンスハンドブック
道教委では、「教職員のコンプライアンスハンドブック~よりよい学校づくりのために~ (令和6年2月)」(PDF 2.83MB)(以下「ハンドブック」という。) を作成しました。
このハンドブックは、スクールコンプライアンスの定義や教職員の服務に係る基本原則、人権尊重、法令遵守及び懲戒処分について、具体的に説明することで、コンプライアンスの観点から適切な判断や行動ができるように作成したものです。
各所属において、このハンドブックを積極的に活用し、教職員の不祥事根絶を図ってください。
トピック2 教職員の服務に関する研修動画
教職員の服務に関する研修動画を作成しました。服務規律の確保に資するよう、各所属における職場研修等に活用してください。(教職員課服務制度係)
言うまでもなく、教育行政は、道民や地域住民の信頼の上に成り立つものであることから、学校長におかれましては、職員一人一人がコンプライアンス(法令遵守)を徹底するよう、本研修資料等を活用しながら、ご指導いただくようお願いします。
● 研修資料公開先URL(北海道教育委員会の教職員課ホームページ内)
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/ksi/fukumu-kensyu.html
● 研修動画の内容
項 目 | 時 間 | |
全 体 像 | ① 服務制度の全体構成 | 約7分 |
職務上の義務 |
② 法令及び上司の職務上の命令に従う義務 | 約7分 |
③ 職務に専念する義務 | 約7分 | |
身分上の義務 | ④ 信用失墜行為の禁止 | 約7分 |
⑤ 秘密を守る義務 | 約7分 | |
⑥ 政治的行為の制限 | 約15分 | |
⑦ 争議行為の禁止 | 約10分 | |
⑧ 営利企業等の従事制限 | 約15分 |
トピック3 最近の教職員による不祥事
主な懲戒処分案件を種別ごとに取り上げ、教職員及び職場として注意すべき点を示しました。
なお、近年行われた懲戒処分についてはこちらに掲載しています。
・ 学校職員の懲戒処分等について(北海道教育委員会の総務課ホームページ内)
https://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/sum/gakkoushokuintyoukai.html
● わいせつ行為
教諭Aは、自家用車内で、自校女子生徒の唇にキスをした。 (懲戒処分:免職) |
【留意点】
・ 児童生徒に対する淫行やわいせつ行為は、生涯にわたって回復しがたい心理的外傷を残し、心身
にも重大な影響を与えます。
・ このような行為で懲戒免職になると、教員免許の再取得で厳しい制限を受けるほか、国のデータ
ベースにも登録されるため、再び教壇に立つことはできないと考えてください。
● 飲酒運転
教諭Bは、飲食店で飲酒の上、自家用車を運転し、交差点で停車していた際、居眠りをし、通報により駆けつけた警察官による呼気検査の結果、酒気帯び運転違反の基準値を超えるアルコール濃度が検出された。 (懲戒処分:停職5か月) |
【留意点】
・ 飲酒の場へは車では行かないでください。やむを得ず車で行くときは、事前にハンドルキーパー
を用意し、代行運転を予約するなど帰りの手段を確保してください。
・ 飲酒の翌日に車を運転する場合は、厚生労働省作成の「アルコールウォッチ」等を参考にアル
コールの分解時間を確認し、運転の前にはアルコール検知器で確認してください。
● 金銭事故
教諭Cは、生活費等に充てるため、教材費から約28万円を横領等した。 (懲戒処分:免職) |
【留意点】
・ 公金はもとより、保護者から徴収したお金や募金等を横領したり、盗んだりした場合、懲戒免職
の処分を受け、職を失うだけでなく退職手当も支給されません。
・ 借金の返済でお金に困ったときは、法テラスや弁護士等に相談して債務の整理に取り組んでくだ
さい。
● 体罰
教諭Dは、教室で指導中、児童が他の児童に物をぶつけるなどの行為を止める際に感情的になり、右の平手で当該児童の頭頂部を叩くなどの行為を複数回行った (懲戒処分:減給1か月) |
【留意点】
・ 教育上必要が認められるときに、児童生徒に対する説諭などの懲戒は認められていますが、身体
に対する侵害や肉体的苦痛を与えるような体罰は認められていません。
・ 体罰は児童生徒や保護者との信頼関係を損なうだけでなく、児童生徒は物事を暴力で解決するこ
とを学び、結果として暴力の連鎖を生み出すことになります。
● 速度違反
教諭Eは、日曜日、自家用車を運転中、法定速度時速60キロメートルのところを時速114キロメートルで走行し、法定速度違反をした。 (懲戒処分:停職1か月) |
【留意点】
・ スピードの出し過ぎは、重大な交通事故につながる危険性があります。
・ 法定速度や標識で指定された速度を超えて走行することは許されず、追い越しの際、あるいは、
登坂車線やゆずり車線で追い抜く場合も例外ではありません。
● 個人情報
教諭Fは、校長の許可を得ずに個人情報が入っているUSBフラッシュメモリを校外に持ち出し、校外で発見された。 (懲戒処分:減給1か月) |
【留意点】
・ 個人情報は、校舎内で一時的に紛失した場合でも、撮影されてネット上に流出するおそれがあり
ます。
・ 児童生徒の成績や指導の記録などを含む個人情報は、原則として執務室(職員室)から持ち出さ
ないようにし、やむを得ず持ち出す場合は、管理職の許可を得てください。
【参考:ハインリッヒの法則】
ハインリッヒの法則とは、1件の重大事故・災害の背後には29件の軽微な事故や災害があり、その
背後には、300件の「ヒヤリ」としたり「ハッ」とした事案が存在しているというものです。このよ
うに、重大な事故や災害には至らないものの、直結しておかしくない一歩手前の事例の発見を「ヒヤ
リ・ハット」と表現するようになりました。
このことを教職員の不祥事に当てはめてみると、あなた自身が気付いていなくても、あなた自身は
「まあ、いいか」で済ませていても、実は重大な不祥事につながっていくのです。
「ヒヤリ・ハット」した経験を記録して、職員同士で共有することで、不祥事を防止しましょう。
1 懲戒処分の指針【令和7年3月18日改正】
2 研修資料
各種研修資料を用意しました。職場研修等でご活用ください。
○教職員による不祥事の根絶に向けて~学校におけるわいせつ事故防止方策~ (PDF 464KB)
○教職員の不祥事防止のために(改訂版)
・P.1~P.61 (PDF 2.64MB)
・P.62~P.131 (PDF 2.79MB)
・P.132~P.186 (PDF 1.85MB)
○教職員の服務、勤務時間等について(道立学校用) ~新たに管理職員になられた方へ~ (PDF 3MB)
○リーフレット
・「自分の「心」を見つめていますか_不祥事防止研修資料~」 (PDF 325KB)
・「わいせつ行為及びセクシュアル・ハラスメントの根絶に向けて」 (PDF 789KB)
○校内研修資料
・「わいせつ行為」1 (PDF 255KB)
・「わいせつ行為」2 (PDF 312KB)
・「飲酒運転」 (PDF 222KB)
・「体罰」 (PDF 202KB)
・「個人情報の紛失」 (PDF 172KB)
・「金銭事故」 (PDF 199KB)
○体罰を許さない学校づくりに向けて (PDF 364KB)
○個人情報紛失の未然防止について (PDF 97KB)
○教職員の不祥事発生時における学校の事後対策 (PDF 178KB)
3 令和7年度学校職員の交通違反・事故の発生状況
令和7年度(2025年度)における学校職員の交通違反・事故の発生件数の総数は、7月末現在で33件(飲酒運転1件、速度違反15件、人身事故等(疑いを含む)17件)で、昨年度(7月末現在・飲酒運転1件、速度違反15件、人身事故等7件、計23件)と比較して人身事故の件数が大幅に増加しており、大変憂慮すべき事態となっております。
学校職員は、児童生徒の教育に直接携わり交通規範の遵守について指導する立場であることから、自ら交通違反・事故を起こすことは、個人としての問題に止まらず、学校教育全体に対する社会の信頼を著しく損なうものであり、許されるものではありません。
各学校においては、交通違反・事故の防止に向け、別添「令和7年度(2025年度)学校職員の交通違反・事故の発生状況」を活用するなどして、改めて交通安全意識の一層の高揚が図られるよう所属職員への指導を徹底願います。
4 相談窓口
道内の公立学校教職員(札幌市を除く。)向けの相談窓口を設置しました。
不適切な行為を見聞きした場合や、疑問を感じた場合は、次の相談窓口に遠慮なくご相談ください。
相談窓口一覧
対 象 | 窓 口 | 電話番号 |
教職員のコンプライアンスの確保に関すること <例> |
教職員コンプライアンス相談 |
011-204ー5724 |
※外部相談窓口については、道教委情報 共有サイトを参照ください |
北海道教育庁総務政策局 総務課職員公務管理係 ほか |
011-204ー5724 |
市町村立学校教職員のハラスメント等に関する こと |
※ 各市町村教育委員会へ お問い合わせください。 |
ー |
学校教育における法令違反等に係る情報提供 制度 |
北海道教育庁総務政策局 教育政策課広報広聴係 |
011-204-5717 |
5 関係法規・通知等
- 北海道立学校職員服務規程 (PDF 164KB)
- 北海道教育委員会のハラスメントの防止等に関する基本方針 (PDF 179KB)
- 北海道教育委員会のハラスメントの防止等に関する基本指針運用要綱 (PDF 398KB)
- 学校職員にかかる事故報告の手続について (PDF 104KB)
- 「児童生徒への指導に課題の見られる教員等への対応」について (PDF 526KB)
- 教職員によるわいせつ事故の根絶に向けた校内体制の整備について (PDF 215KB)
6 コンプライアンス確立月間の取組
学校教育は、道民の信頼の上に成り立つものであり、職員一人一人が服務規律の確保や法令遵守について高い意識を持つことが必要です。改めてその趣旨を徹底するため、より実効性のある取組として、「コンプライアンス確立月間」を設定し、教職員全体が共通認識を持った不祥事等の再発防止取組(職場研修の集中的な実施)を展開します。
実施期間 | 毎年5月及び6月 |
テーマ | ・わいせつ行為、セクシュアル・ハラスメントの防止 ・体罰の防止 ・金銭事故の防止 ・個人情報紛失防止 ・飲酒運転撲滅 など |