北海道の珍しい土器やアクセサリーなど

学校の授業などでは、縄文土器、弥生土器や磨製石器などの代表的なものを習いますが、北海道では、もっと珍しいすごいものがたくさん出土しています。ここでは、それらの一部を紹介しています。興味を持たれた方は、ぜひ、本物を見に行かれたらどうでしょうか。写真と本物では感動がちがいますよ。

① 胆振管内白老町社台1遺跡から出土した縄文時代晩期(約2,500年前)の朱塗りの壺です。デザインや彩色がすてきなですね。
(白老町教委所蔵 TEL 0144-85-2666)

② 縄文時代の遺跡からは、まれに動物をかたどった遺物が出土することがあります。表現された動物に従って「猪形土製品」、「亀形土製品」などと呼ばれます。
  石狩管内千歳市美々4遺跡から出土した縄文時代晩期初頭(約3,000年前)の土製品で昭和54年に国の重要文化財に指定されました。
海獣や鳥のカモなど色々な意見がありますが、あなたはなにに見えますか。
(千歳市教委所蔵 TEL 0123-24-4210)

③ 千歳市美々4遺跡から出土した縄文時代晩期初頭(約3,000年前)の土偶です。この土偶は乳房と下腹が大きく、妊娠した女性の姿です。目は細く顔を少し上へ向けており、目を閉じて横たわっているようにも見えます。(道立埋蔵文化財センター所蔵 TEL 011-386-3231)

doki1.jpg ① doki2.jpg ②    dogu1.jpg    ③ 

④ 渡島管内函館市桔梗2遺跡から出土した縄文時代中期中葉(約4,000年前)のシャチ形土製品です。とても写実的で、尾びれや背びれの形状がシャチの特徴をよくとらえています。
(函館市教委所蔵 TEL 0138-21-3472)

⑤ 道東・道央の続縄文時代初頭には、クマの頭部形石製品が見られるようになります。
左から石狩管内江別市高砂遺跡出土のもの、空知管内芦別市滝里安井遺跡出土のもの、江別市旧豊平河畔遺跡出土のものです。
(江別市教委 TEL 011-381-1060、芦別市教委 TEL 01242-4-2121)

sakana.jpg ④ kuma.jpg ⑤

⑥ 胆振管内伊達市有珠モシリ遺跡から出土した続縄文時代恵山文化期(約2,000年前)のクマ形の意匠のついたスプーン形の骨角器です。
 スプーンの柄の先にクマの彫り物をつけるなんてとてもおしゃれですね。
(国保有、伊達市教委借受 TEL 0142-22-1515) 

⑦ 渡島管内恵山町恵山貝塚から出土した続縄文時代恵山文化期(約2,000年前)の骨角器です。骨角器の端部に多様な動物意匠が見られます。左のはカメが仰向けになっているように見えます。また、真ん中のはイルカの頭部のようです。右側のは魚類か鯨などの水棲ほ乳類にも見えます。
(市立函館博物館所蔵 TEL 0138-23-5480)

kuma2.jpg ⑥ kame.jpg ⑦

⑧ 琥珀(こはく)は松・杉・檜類の樹脂が埋もれ、化石となったものです。
右の写真は、空知管内芦別市滝里33遺跡から出土した続縄文時代初頭(約2,000年前)の琥珀で作られたネックレスです。
  当時から女性はこのようにおしゃれを楽しんだのかもしれませんね。
  なお、琥珀は現代でも貴重品として扱われています。
(芦別市教委所蔵 TEL 01242-4-2121)

⑨⑩ 宗谷管内礼文町船泊遺跡から出土した縄文時代後期中葉(約3,500年前)の人骨と副葬品です。
 この人骨は成人女性のもので、首や胸の周りに貝で作られた玉が見られます。彼女のネックレスをいっしょに埋葬したのでしょう。
 この貝玉と同じものが北海道南部やシベリヤまで分布することから、礼文島で作られた平玉が大陸へ交換品として運ばれた可能性があり、船泊縄文人が北方交易を行っていたと推測されます。
(礼文町教委所蔵 TEL 01638-6-2119)

zu2.jpg⑧ hone2.jpg ⑨ hone3.jpg ⑩

 

写真①②③④⑧~(財)北海道埋蔵文化財センター発行の発掘調査報告書より使用

写真⑤⑥⑦~(財)仙台市歴史文化事業団仙台市富沢遺跡保存館発行
         「動物デザイン考古学」より使用

写真⑨⑩~礼文町教委から提供

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