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最終更新日:2015年6月18日(木)


教育行政執行方針(平成27年6月)


 

  
教育行政執行方針 (平成27
年6月)

北海道教育委員会

 

 

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  I   はじめに

  II   教育行政に臨む基本姿勢

  III   重点政策の展開
     1 社会で活きる実践的な力の育成
     2 豊かな心と健やかな体の育成
     3 信頼される学校づくりの推進
     4 地域全体で子どもたちを守り育てる体制づくりの推進
     5 北海道らしい生涯学習社会の実現
 
  IV   む す び
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I はじめに

 平成27年第2回定例会の開会に当たり、北海道教育委員会の所管行政の執行に関
する主要な方針について申し上げます。

 人口減少の加速化、グローバル化の進展、情報通信技術の発達など、社会が急激
に変化する中で、本道が持続的に発展し、地方創生を実現していくためには、将来を担う心身共に健やかな人材の育成が不可欠であり、子どもたちが、ふるさと北海道に誇りを持ち、その未来を支えていける力を培うことができるように、「自立」と「共生」という北海道教育の基本理念の下、新たな教育委員会制度に基づき、知事が主宰する総合教育会議において十分に協議を行いながら、教育行政を推進していくことが重要です。 

II 教育行政に臨む基本姿勢

 このような認識の下、子どもたちの確かな学力、豊かな心、健やかな体をバランスよく育てる教育と、その基盤となる教育環境づくりに向けた基本姿勢について申し上げます。

 本道の子どもたちの学力・体力については、改善の傾向が見られるものの、依然として全国平均を下回っており、1日の家庭学習の時間が少ない、テレビやゲームの時間が多いといった生活習慣についての課題も明らかになっています。
 
 また、いじめの問題においては子どもたちが互いの違いを認め合い、支え合いながら健やかに成長できる環境づくりが求められています。

 北海道教育委員会としては、授業の改善と望ましい生活習慣の定着を車の両輪と位
置付け、「ほっかいどう『学力・体力向上運動』」を推進するほか、いじめの防止等に関する条例や基本方針に基づく取組を進めるとともに、人口減少下にあっても地域の教育の充実が図られるよう効果的な施策を講じてまいります。 

III 重点政策の展開

  次に、平成27年度の重点政策について申し上げます。

1 社会で活(い)きる実践的な力の育成

 第一は、「社会で活きる実践的な力の育成」についてであります。

 まず、「確かな学力を育み、自立した生き方を支える教育の推進」であります。

 子どもたちが変化の激しい社会を生きていくためには、基礎的・基本的な知識・技能の習得とそれらを活用できる力を育むことが重要です。

 このため、義務教育においては全国調査の分析結果を踏まえ、
 ・学校力向上に関する指定校における優れた取組の全道への普及
 ・より一層の学力向上が望まれる地域や学校への継続的かつ集中的な指導・助言
 ・異なる学校の教員がチームとして複数の学校の授業改善を図る取組
 ・義務教育9年間を見通して子どもたちを育成する小中一貫教育の取組
 ・「ほっかいどうチャレンジテスト」の改善と活用
 ・学習や生活習慣などの「時間の目安」と生活リズムチェックシートの活用
などを推進します。

 高等学校教育においては、基礎的・基本的な知識や技能の確実な定着はもとより、思考力・判断力・表現力等の効果的な育成のため、教科指導力の向上のための研修を充実させるほか、生徒が課題解決に向けて主体的に学ぶ授業づくりに取り組みます。
 
 このほか、市町村や高等学校に地域の社会人や大学生を学校サポーターとして派
遣し、授業の内外で子どもたちの学習を支援します。

 特別支援教育については、障がいのある子どもが、できる限り身近な地域で、一人一人の教育的ニーズに応じた支援を受けることができるよう、
 ・知的障がい高等支援学校の整備及び設置学科の見直しや養護学校の教室不足の
  解消
 ・医療的ケアの実践校の拡充
などを進めます。

 また、発達障がいを含め、障がいにより特別な教育的支援を必要とする子どもへの指導や支援の充実を図ることができるよう、
 ・特別支援教育に関する教職員の専門性の向上に向けた各種研修会や教育職員免
  許法に基づく認定講習への参加の促進
 ・各学校における、通常の学級に在籍する発達障がいのある子どもなどへの指導や
  支援に関する「校内研修プログラム」の活用の促進
に取り組みます。

 次に「新しい時代を切り拓く力を育む教育の推進」であります。

 人口減少とグローバル化が同時に進行する時代にあっては、ふるさと北海道に誇りを持ち、地域や地域の産業を支える人材とともにグローバルに活躍できる人材を育成していくことが重要です。

 このため、郷土を愛し、発展させていこうとする気持ちを育むことができるよう、本道の自然や文化、観光などの教育資源を活用した学習や、北方領土やアイヌの人たちの歴史や文化などに関する学習を充実させるとともに、地域に伝わる民俗芸能に親しむ機会を提供します。

 「グローバル人財」を育成するため、幼児期からの英語教育の充実を図り、宿泊型のイングリッシュキャンプに加え、通学型のイングリッシュ・ミーティングを実施するほか、グローバル・リーダーを養成するための効果的なカリキュラムの開発・普及に取り組むとともに、ICTを活用して海外の青少年と交流するフォーラムの開催や、将来における国際バカロレアの導入について検討を進めます。

 地域医療を支える人材を育成するため、医育大学や医師会等と連携した取組を進めるほか、科学技術の発展に寄与する人材を育成するため、スーパーサイエンス・ハイスクールにおける取組を充実させるとともに、その成果の普及に取り組みます。

 将来の社会的・職業的自立に向け、必要となる能力や態度を育成するため、地域や
産業界等との連携協力のもと、インターンシップ等の取組を強化するとともに、小学校から中学校、高等学校まで一貫したキャリア教育の実践的な研究に取り組みます。

 職業教育については、将来の北海道の産業を担う人材を育成するため、大学や企業、研究機関等と連携し、専門性の高い知識や技術を習得させるなどして、実践的な能力を育成します。

 学校における土曜日の活用については、子どもたちに、学習や体験活動の機会を提供し、学力・体力の向上と豊かな心の育成に資するため、カリキュラムの開発や普及・啓発に取り組むとともに、地域の人材を活用した実践的な取組を支援します。


2 豊かな心と健やかな体の育成

 第二は、「豊かな心と健やかな体の育成」についてであります。

 まず、「豊かな人間性と感性を育む教育の推進」であります。

 こうした教育においては、基本的な倫理観や規範意識、思いやりの心や美しいものに感動する心などを育むとともに、自分の生き方を主体的に考えることができる力を育成することが重要です。
 
 このため、本年3月の学習指導要領の一部改正により、道徳が特別の教科として新たに位置付けられたことを踏まえ、家庭や地域と連携した道徳教育を推進します。

 読書活動の推進に当たっては、学校司書の配置を促進し、体験活動を通じて読書に親しむ機会を提供するなど、子どもたちがあらゆる機会と場所において、自主的に読書活動を行うことができる環境づくりに取り組みます。
 
 いじめについては、いじめの芽は、どの子どもにも生じ得るという強い認識に立ち、常日頃からいじめが起きない学校・学級経営に努めるとともに、いじめの疑いがある場合には、スピード感を持って組織的に取り組むことが必要です。

 このため、いじめの防止等に関する条例及びいじめ防止基本方針に基づく取組を徹
底し、
 ・「いじめ未然防止モデルプログラム」の改善及び普及啓発
 ・いじめを速やかに解消した事例集の活用
 ・「どさんこ☆子ども全道サミット」の成果の普及
などに取り組みます。

 また、いじめや不登校の事案に対応するため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を拡充するほか、有識者や弁護士などで構成する支援チームの学校への派遣やネット上で専門家の指導助言を受けられる体制の整備などを進めます。

 さらに、いじめや体罰など学校等で生じる様々な問題について、子どもや保護者から直接相談を受けて問題の解決につなげる「子ども相談支援センター」を設置します。

 このほか、スマートフォン等による過度なインターネット利用に起因する問題が生じていることを踏まえ、望ましい利用に向けた環境づくりに取り組みます。

 次に「心身の健やかな成長を促す教育の推進」であります。

 体力は、意欲や気力にも大きく関わり、あらゆる活動の源になるものであり、子どもたちが生涯にわたって心身ともに健やかに生きるための基盤を培うことが大切です。

 このため、各学校において、
 ・全学年での新体力テストの実施と数値目標の設定及びそれらを踏まえた体力向上
  の全体計画の改善
 ・運動やスポーツの楽しさを味わい、達成感が得られる体育授業の改善
 ・家庭や地域、プロスポーツ団体等と連携した運動習慣の定着
などに向けた取組を進めます。

 本道は全国に比べ、肥満傾向の子どもの割合が高いことなどから、栄養教諭を中核
とし教職員が一体となった指導体制の下で、家庭と連携した「食に関する指導」を充実させ、生活や学習の基盤となる望ましい食習慣の定着を図るとともに、郷土への理解を深めるため、給食における地場産物の活用を促進します。

 また、学校におけるフッ化物洗口を普及するとともに、危険ドラッグを含む薬物の乱用防止をはじめ、アレルギー疾患や心の健康問題への対応が適切に行われるよう、専門家の協力を得て、教職員や保護者に対する研修会を開催するなどの取組を進めます。

 子どもたちが、自ら安全に行動し、進んで地域の安全に貢献できる資質・能力を育成するため、「防災」、「交通安全」及び「防犯を含む生活上の安全」意識の向上を図る体験活動を促進するとともに、学校において安全教育や安全管理を推進するための体制整備を進めます。

3 信頼される学校づくりの推進

 第三は、「信頼される学校づくりの推進」についてであります。

 まず、「魅力ある学校づくりの推進」であります。
 
 人口減少や少子化が進行する中にあっても、自然環境や人材など地域の教育資源
を生かしながら家庭や地域から信頼される魅力ある学校づくりを進めることが重要です。

 このため、学校評価については、学力・体力など喫緊の課題に即した評価項目の設定や、地域住民等の参画、評価結果を踏まえた改善方策の積極的な公表などの取組を促進します。

 新しいタイプの高校づくりについては、生徒の多様な学習ニーズに対応し、地域の特性を生かした特色ある高校となるよう取組を進めるとともに、総合学科や普通科単位制などの魅力を、子どもたちや保護者等に分かりやすく発信します。

 学校の規模や地域に関わらず、教育の質の維持・向上を図るため、ICTを活用した遠隔授業の実施をはじめ、タブレット端末や電子黒板等を積極的に活用する指定校を重点的に支援し、得られた成果を全道に普及します。
 
 次に「教職員に対する信頼性の向上」であります。

 学校教育の成否は、子どもたちの教育に直接携わる教職員の人間性や指導力によ
るところが大きく、時代の要請に応じて、継続的に教職員の資質や能力の向上を図ることが必要です。

 このため、初任段階の教職員に対して継続的な研修を実施するほか、中長期的な効
果を見据えて都市部と郡部との間での広域人事の拡充や新規採用教職員の配置の改善などに取り組みます。
 
 また、本道は女性管理職の占める割合が全国と比べ低い状況にあり、女性教職員の
活躍を支援するために必要な取組について検討を進めます。

 このほか、体罰やわいせつ行為など、教職員の不祥事が後を絶たないことから、「コンプライアンス確立月間」における集中的な職場研修や個人面談などを通じて、教職員の自覚を促す指導に、より一層の危機感を持って取り組みます。

 教職員の多忙化の解消については、時間外勤務を縮減するため、部活動休止日の 設定や管理職員の意識改革などを進めます。

4 地域全体で子どもたちを守り育てる体制づくりの推進

 第四は、「地域全体で子どもたちを守り育てる体制づくりの推進」についてであります。

 生まれ育った環境にかかわらず、子どもたちを守り、健やかに育んでいくためには、学校・家庭・地域・行政が連携・協力する体制づくりが必要です。
 
 このため、子育てや家庭教育については、すべての保護者が学習や相談の機会を得られるような仕組みづくりを進めるほか、家庭教育サポート企業が持つ人材等の活用を図るとともに、「早寝早起き朝ごはん」運動や「どさんこアウトメディアプロジェクト」など、望ましい生活習慣の定着に関する取組を通じて、家庭や地域の教育力の向上に取り組みます。

 また、小中学校の適正な規模については、少子化に対応した活力ある学校づくりに資するため、国の手引きを有効に活用するための資料を作成するなど、市町村における検討や取組を支援します。

 このほか、小規模校で文化芸術にふれたり、科学的な実験や観察を体験することができるよう教育環境の充実を図るとともに、学校教育における少子化対策として、知事部局と連携し、高校生向けの副読本を作成し、結婚や出産、家庭を持つことの素晴らしさを伝える次世代教育を行います。
 
 また、学校の教育活動を支援する学校支援地域本部や放課後子供教室の設置、学習が遅れがちな子どもたちを対象とした学習支援を行う「子ども未来塾」の設置、さらには、市町村立学校におけるコミュニティ・スクールの導入を促進します。

5 北海道らしい生涯学習社会の実現

 第五は、「北海道らしい生涯学習社会の実現」についてであります。

 道民が豊かな生活を送るためには、生涯を通じ積極的に学び、その成果を生かせる
環境をつくることが重要です。

 このため、新たに策定した第三次北海道生涯学習推進基本構想に沿って、生涯学習
の一層の推進を図る取組を進めるとともに、道民に様々な学習機会を提供する「道民カレッジ」の連携講座を拡充するほか、学習情報の提供や相談体制を充実するなど、道民の学びの環境整備に努めます。

 また、地域の活性化を促進するため、公民館等を中心とした社会教育資源を生かした人材の育成及び住民の学びやその成果を実践につなげる仕組みづくりを支援します。
 
 文化の振興については、「文化財保護強調月間」や「芸術週間」などを通じて、文化財や芸術に親しむ機会を提供するほか、アイヌ民俗文化財の保存・伝承活動の支援、北東北と連携した縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた取組など、文化財の保護と活用を進めます。
 
 北海道教育委員会としては、これらの施策の展開に積極的に取り組むとともに、北海道教育推進計画等に基づき、施策の効果や課題について説明責任を果たしてまいります。

 以上、平成27年度に取り組む重点政策について申し上げました。

IV  むすび

 少子高齢化やグローバル化が進展する中、子どもたちが生きる未来には厳しい挑戦
が待ち受けていることが予想されます。そうした時代にあっても、子どもたちが自立し、共に支え合いながらたくましく生きていく力を培うことは、大人に課せられた重要な責務であります。

 北海道教育委員会といたしましては、新たな教育委員会制度の趣旨を十分に踏まえ
ながら「北海道の子どもたちは、道民の手で、地域全体で育んでいく」という思いで、道民の皆様とこれまで以上に連携を図り、前例踏襲や現状維持に甘んじることなく、スピード感と緊張感をもって本道教育の充実・発展に取り組んでまいります。

 道民の皆様並びに道議会議員の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。

 

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                        総務政策局教育政策課政策企画グループ   
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