○ 苫前町町民劇の取組
苫前町では平成20年度から公民館の呼びかけで、町民参加型の演劇公演を実施しています。多くの住民が舞台づくりに関わり、制作や演技について学びあう機会となっています。町民劇が住民の主体的な文化創作活動の契機になるとともに、活動を通じて新たな住民のコミュニティづくりや地域の活性化の一助となっています。
平成22年の公演では、4歳から60代までの町民51名が参加しました。参加した幼児から小学生までの子どもたちは、お遊戯会や学芸会で同じ年代の子どもと舞台に立つことはあっても、地域の大人や高齢者と同じ舞台を踏むことは初めての経験です。
稽古に熱が入り、次第に役者、スタッフの「劇を成功させるという思い」が一つになり始めると、参加している大人たちの演技の一つ一つが子どもたちの目に焼きつきはじめます。当然、子どもたちの演技にも視線が注がれ、演技のアドバイスなど多くの支援を受けることになります。子どもたちなりに「親の背中」「教員の背中」「お兄さんやお姉さん、近くのおじさんやおばさん等大人の背中」を見て、「大人は凄い!」と思うようになるようです。このように、大人に負けまいと真剣に練習に練習を重ねながら、子どもたちも演劇空間の中で「一人の役者として大人と対等の責任を与えられていること」を実感していきます。
平成22年12月5日「冒険者たち~ガンバと仲間たち~」が開幕。子どもたちがキラリ輝く瞬間がやってきました。劇を支える一員として誇りをもって演じきりました。
公演終了後の参加者の感想です。
「前向きに頑張ってたら必ず力になってくれる人がいるんだなぁと改めて感じました。」
「演じる者、支える者、観る者が、小さな町で暮らすためのヒントをたくさんの人と共有できるツールであり、誰かが一歩前へ踏み出すきっかけであって良いはず。」
『「顔見知り」だった人が、「知り合い」や「お友達」に格上げになったこと。日々生活していて、なかなか友達は作れないので、素直に嬉しかった。』
参加した住民の意識も、この活動で変化してきていることがわかります。この変化していくエネルギーこそが、子どもの「キラリ」を生む原動力の一つとなっています。
今後も苫前町では、町民劇を通じて、地域力の向上とともに地域の中で子どもを育む社会の創造を目指すこととしています。
留萌教育局教育支援課社会教育指導班主査 岡田 智英