○ 地域の教育資源を活用した体験的な学習

 根室市立花咲港小学校は、3学級、児童数16名、開校113年目を迎える歴史ある学校です。
 国の天然記念物である「根室の車石」のすぐそばに位置し、眼下には太平洋、花咲港を望む丘の上にあります。

 本校では、地域の教育資源を活用した様々な体験的な学習を通して、子どもたちに、知的好奇心や探究心をもって主体的に学習に取り組む態度を養うとともに、学ぶことの楽しさや成就感を実感させております。

    
花咲港小学校2

 今回は、2つの体験的な学習を紹介します。

 1つめは、北方領土に関する学習です。
 本校は、漁業に関わる仕事に従事している保護者の子どもが多いことや、ロシア人の子どもが在籍していることから、発達の段階に応じ、総合的な学習の時間などにおいて、北方領土に関する学習を行っています。
 北方領土に住んでいた元島民の方や海上保安庁の職員を講師として招いたり、北方領土に関する施設を見学したりしながら、子どもたちは、島の名称や、北方領土周辺で捕れる魚、北方領土問題の歴史、海上保安の仕事、海難事故の防止等を、身近なものとしてとらえ、意欲的に学んでいます。

 右上の写真は、今年度、海上保安庁の巡視船「くなしり」に乗船したときのものです。
 天候の関係で、納沙布岬と貝殻島のいわゆる「中間ライン」までは行けませんでしたが、これまでの学習を踏まえ、船上から「島」を見ることにより、その近さや荒れる海の怖さに加え、北方領土問題の難しさを改めて実感しながらも、自分たちに何ができるのか、考えを深めていました。

花咲港小学校     

 2つめは、環境に関する学習です。

 本校は、「根室の車石」という文化財の近くに位置し、風光明媚な景観を臨める場所に位置していることから、学校付近の道路は、特に夏から秋にかけて交通量が増えると同時に、ゴミの量が増えます。
 子どもたちは、こういった学校周辺の文化財や自然環境を活用し調べ学習を行ったり、地域の婦人会や根室市商工観光課に協力をいただき、花壇の整備やゴミ拾いをしたりしながら、地域の自然環境の保護・保全について、主体的かつ探究的に学んでいます。

 左上の写真は、年間3回実施している、全校の子どもによる、学校から「車石」までの約700メートルの道のりの清掃活動のときのものです。
 拾っても拾っても無くならないゴミから、子どもたちは、環境保護の難しさや社会のルール遵守への意識を高めるとともに、ゴミ拾いによってきれいになった道路から、自分たちが地域の自然や景観を守るために取り組んでいることに対する誇らしげな表情を見せていました。


根室教育局生涯学習課義務教育指導班指導主事 林 政孝