○ 理数教育の充実を図るための「スーパーサイエンスハイスクール」の取組
北海道旭川西高等学校は、全日制課程普通科15学級、理数科3学級の学校です。
本校は、文部科学省による研究開発事業である将来の国際的な科学技術系人材を育成するための先進的な理数教育を実施する高等学校「スーパーサイエンスハイスクール」として、平成22年度から5年間の指定を受け、理数系教育に重点を置いたカリキュラム開発や観察・実験等を通じた体験的・課題解決的な学習、大学や研究機関等と連携した先進的な理数教育を実施しています。
【学校設定科目「スーパーサイエンス基礎1」の取組】
理数科1年生を対象に学校設定科目「スーパーサイエンス基礎1」を実施しています。本科目の「理科基礎実験」では、生徒一人一人が体験を通して顕微鏡観察とスケッチの仕方、実験器具の使用方法や操作の仕方、実験データの処理方法などを学んでいます。
また、「SSH理数科地域巡検」を実施しており、今年度は旭山動物園で、飼育動物の行動観察、猛獣館バックヤード見学、野外観察を実施し、坂東園長から、自然保護についての講話をいただきました。講話では、「自分たちの理屈で理解するのではなく、動物を基準にして考える。」「都合の良いところだけでなく自然界すべてを含めて考えてほしい。」などの話があり、自然保護に対する考え方を深めました。
【学校設定科目「スーパーサイエンス基礎2」の取組】
理数科2年生を対象に学校設定科目「スーパーサイエンス基礎2」を実施しています。
本科目では、「スーパーサイエンス基礎1」で実施した「理科基礎実験」を継続・発展させた内容を実施しているほか、「数学課題研究」を実施しており、グループに分かれ「素数の世界」、「面積の求め方」、「定規とコンパスによる作図と計算」、「微分法と空間面積」、「太陽の重力はなぜ惑星の軌道を楕円にするのか」、「トポロジーと一筆書き」、「数の拡張」、「等比数列」をテーマに調査・研究に取り組み、研究成果をレポートにまとめるとともに、プレゼンテーションソフトを用いての研究成果の発表会を行います。
【「スーパーサイエンス講演会」の取組】
1・2年生の全員と3年生の希望者を対象に、理系の調査研究活動に取り組んでいる著名人を講師として、調査及び研究の必要性や理系を学ぶ意義を考える機会として、「スーパーサイエ
ンス講演会」を実施しています。今年度はノーベル賞受賞者の米国パデュー大学の根岸英一教授を講師に招き「ノーベル賞受賞までの道のり」と題した講演を行いました。講演後、本校代表生徒との交流会を行い、根岸教授からは、「大きな夢を持って一歩一歩階段を上って欲しい。」とのエールをいただきました。
講演会に参加した生徒からは、「クロスカップリングの内容は難しかったが、貴重な話を聞けて良い経験になった。」「根岸教授が高校時代に勉強を頑張った話を聞いて、これから受験勉強をする上でとても励みになった。」などの声が寄せられました。
これら以外にも大学等の教員を講師として「SS講座」や「SS実験講座」等の先端的な科学技術に触れることのできる講座等を実施しています。特に、今年度からは「SS実験講座」において、管内の中学生にも参加を呼びかけ、現在、数名の中学生が本校生徒とともに「SS実験講座」を受講しています。こうした取組を通して、将来の科学技術系人材を育成するための理数教育の実践研究に取り組むとともに、理数教育の拠点校として実践成果の普及に取り組んでいます。
上川教育局教育支援課高等学校教育指導班指導主事 高野 隆広