○ 子どもの読書活動推進事業「めざせ!読書王」から
恵庭市青少年研修センターでは、昨年の秋、「子どもの読書活動推進」を目的とした社会教育事業を実施した。ふつう、読書活動推進事業となると“本が好きではない子ども”を対象に興味・関心を高めさせることをねらいとする。しかしこの事業は、あえて本好きな子どもたちをターゲットにして「子どもから子どもへ」の読書活動の広がりをねらった。読書のまちづくりを推進し、市内全小中学校での朝読書をはじめ、多くの先進的な取組を実践している恵庭市ならではの事業といえる。
子どもたちの活動としては、1 図書館でのお仕事体験(司書体験)、2 読み聞かせの学習・発表を柱として2回シリーズで計3日間実施した。
この事業に参加した子どもたちは、「(家庭で)弟や妹、お父さんやお母さんに本を読んであげたい」「(学校で)図書委員になって、いろいろな方法で本の紹介をしたい」「(地域の)図書館でボランティアの皆さんと一緒に読み聞かせをしたい」など、個々の読書活動の広がりをみることができた。また、「図書館司書になりたい」という感想もあり、将来への道筋を発見した子どもたちもいた。
また、3ヵ月後の聞き取りでは、参加者の多くがこの事業で高まった意識を行動に移し、実際に学校や家庭でさまざまな形で実践していることがわかった。
年度が替わり、「めざせ!読書王」に参加した子どもたちの学年が1つあがった。学校や家庭・地域で、どのような活躍をしているか気になっていた矢先、市内のスーパーで1人の女の子に「こんにちは」と声をかけられた。「将来は司書になりたい」と言っていた子である。話を聞くと6年生になったこの春から図書委員になり、「めざせ!読書王」で学んだ「読み聞かせ」や「しおりづくり」、市立図書館で体験した「本探しゲーム」などを学校図書館で実践しているそうである。「学校のみんなは、読み聞かせやゲームを楽しみにしている。たくさんの人たちが図書館に来てくれるのはとてもうれしい。」と話してくれた。
この子は、夢に向かって確かな一歩を踏み出したように思えた。
石狩教育局社会教育主事(恵庭市教育委員会派遣) 奥 寺 徳 之