○ 子どもたち一人ひとりにとって特別で宝物の時間

 浦河町立野深小学校は、日高管内浦河町の北西部に位置し、周りを豊かな自然や競走馬の生産牧場に囲まれた、全校児童48名の学校です。

 日高管内は、サラブレッドなど軽種馬国内生産頭数の約80%を占める全国一の馬産地であり、雄大な日高山脈のもと、ゆったりと草をはむ馬たちの姿や優駿が駆けめぐる牧場風景が校舎の周りに広がっています。
 しかし、軽種馬は、将来、競走馬として活躍が期待される高価な商品でもあるため、身近な存在でありながら触れ合うことはほとんどないのが実態でした。

 そこで、平成8年度に当時の保護者や地域の方々が、子どもたちに馬と触れ合うことができ、さらに乗馬教室もできるようにと、地域の方からポニーを借りて学校で飼い始め、平成10年度には「ふれあい牧場」ができました。

   

野深小学校

 子どもたちは、休みの日を除いて毎朝およそ15分ほど、ブラッシングや水替え、ふん拾いなどの世話をしています。ブラッシングをしているときにポニーが気持ちよさそうな表情をしたり、顔や体を撫でてあげるとうれしそうなしぐさをするときは、子どもたちにとっても楽しさやうれしさを感じるひとときです。
 しかし、性格が温厚と言われるポニーも生き物なので、機嫌が悪くブラッシングをさせてもらえない日や、子どもたちにお尻を向けて蹴ろうとすることもあるそうです。
 これまで、冬期間の世話は地域の方にお願いしていましたが、今年の冬から子どもたちが世話を続けることになりました。そうはいっても、牧草が生えないこの時期は、ポニーの状態を見ながら牧草を与えなければならないので、子どもたちにはちょっと難しく、地域の方に引き続き協力をお願いしています。

 また、野深小学校ならではの取組として、総合的な学習の時間におけるマイスペシャルタイムの中でホースタイムを設定し、地域の馬の歴史、軽種馬に関わる仕事、馬を育てる仕事などを学んでいます。

 このように、野深小学校では地域の特色を活かし、子どもたちがポニーを飼育する体験をとおして、生命を尊重する心や思いやりのある優しい心など豊かな心をはぐくむとともに、地域の方々に見守られ、明るく、元気に、のびのびと学校生活を送っています。

日高教育局生涯学習課主査(地域政策) 田村 滋朗