○ 真心キラリ
私のクラスのステキな27人の生徒たちについて書かせていただきます。
彼らとの出会いは今年の4月。縁あって、2年生から担任を持ちました。
クラス替えのあった2年生の出発。温かい心を持った人になってほしいという願いを込めて、「真心」という名の学級通信を発行し始めました。普段の教室での出来事や、行事での生徒たちの様子、夏休みの思い出など、載せる内容は様々です。
4月から欠かさずに載せているのは、生徒たちの誕生日特集です。生まれた日が何の記念日なのか、誕生花や花言葉などを紹介しました。誕生日には、クラス全員からの温かい拍手と、私から小さなビスケットのお菓子が贈られます。
そんな「真心」通信に、「みんなのいいところ」を載せたのは夏休みのことでした。
直前に行われた学校祭でのクラスの協力体制は大変素晴らしく、ルーム長を筆頭に「クラスのために」と本当によく頑張っていました。そんな頑張りを残しておきたいと思い、クラス全員に全員のいいところを書いてもらいました。
集めた「いいところ」は、1人ひとり「○○○さん号」「□□□くん号」として発行し、生徒に直接渡しました。
「自分ではわからないところを書いてくれていて嬉しかった。」
「正直、読んでいるうちに泣きそうになった。みんなありがとう。」
「みんなのおかげで、自分のいいところが増えた。ありがとう。ちょっと自分に自信がついた。」
生徒たちからは、こんな嬉しい反応が返ってきました。自分たちのクラスに愛情がわいたようです。
それは、なんでもない月曜日に起こりました。
いつも通り、帰りのSHRを終え、「さようなら」をするはずだったその時、「はい!」と1人の男子生徒が手を挙げました。それにつられるようにクラス全員がどんどん手を挙げていきます。コント仕立ての演出で、1人だけが手を挙げたまま取り残されました。その男子生徒が起立し、私に近づいてきます。「先生、この袋、持っていてください。」状況がつかめず動揺する私をよそに、その演出はどんどんすすんでいきました。
「先生、お誕生日おめでとうございます。」袋をくれた男子生徒が、そう言いながら私がいつもみんなにあげているのと同じ小さなビスケットをひとつ、袋の中に入れてくれました。そして、次々に生徒が私のもとに集まり、「おめでとうございます。」の一言とビスケットをひとつくれたのでした。気づけば袋はビスケットでいっぱいに。
全員が入れ終わった後には、全員でハッピーバースデーの歌を歌ってくれました。最後の極めつけは、クラス全員から私の「いいところ」が書かれた「真心通信」笹木真由子号のプレゼント。心が震えた瞬間でした。
この日の前日は、私の誕生日だったのです。子どもたちが、たった1人の誕生日のお祝いを、こんなに盛大に、しかも驚きに溢れた形で行ってくれたその団結力と真心に、ただただ感動するばかりでした。とても温かい心をもった子どもたちなんだなと胸を打たれました。また、そんな生徒たちの想いを形にするお手伝いをしてくださった副担任の先生にも大変感謝しています。本当に素晴らしい子どもたちに出会えた奇跡に感謝せずにはいられない一日となりました。
来年度閉校を迎える潮見高校。彼らは潮見高校の歴史を締めくくる最後の生徒たちです。
これからも温かい気持ちを持ち続け、さらに輝いてくれることを期待して「真心」通信を出していこうと思います。
北海道厚岸潮見高等学校 教諭 笹木 真由子